第29章


[03] 



 オニスズメは吊り籠から二羽がかりで大きな袋を引っ張り出し、こちらへ運んできた。
 ペルシアンはオニスズメに軽く礼を言うと、その袋を開けごそごそ探り始める。
「ボクは義理堅いのニャー。フツーなら恩やら義理やらそんなもの三日で忘れるとこだけど、今回は運良く覚えてたニャ。
 言っときながらゴタゴタでオモテナシできなかったからニャ。ま、こんなもんで勘弁するニャー」
 そう言って取り出したのは、色とりどりの木の実、様々な薬類、そしてポケモン用の道具だ。
 よくぞここまで集めたものだ。俺達が感心していると、得意げな表情をペルシアンは浮かべた。
「入手ルートは考えない方がいいニャ。あんたらの想像どおりにろくでもない方法だニャー。戸締まりや鞄の大事さを忘れるマヌケな人間はボクらを潤すのニャ。
 そろそろお腹が減る時間だニャ。ボクもお腹が減ったニャ。それ食べながらでいいから、何があったか話せニャ。」
「うむ――」

      ・

 ぶーっ、と俺の顔に、飲みかけだったであろう水が吹き出される。
 咳き込みながらペルシアンはよろよろと木の実の一つを掴む。
「このバカタレーッ!」
 そしてそう叫びながら強くピジョンに投げつけた。
 木の実が頭に直撃し、ピジョンは目に星を散らしながら倒れこむ。
「信ッじられないニャッ! 聞かせてもらった話とボクの個人的に調べていた情報を合わせたら、それ、やっぱりどう考えても伝説の鳥、フリーザーじゃないかニャ!」
 倒れたピジョンをペルシアンは両前足で掴み上げ、がくがくと揺する。


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