第29章


[02] 



 奥に待たせていたミミロップ達を呼び寄せ、俺達はペルシアンに続いて洞窟を出た。
 陽光が暖かい。外へ一歩踏み出すと空気はがらりと変わって感じられ、凍えた体が程よく解れていく気がした。
 洞窟の前には大荷物二匹をここまで運んだポッポ八羽の他に、長い嘴と細い体型の鳥――オニドリルとその進化前であるオニスズメ数羽が加わり、待っている。
 傍らに置かれた吊り籠から、ペルシアンを乗せてきた者達だということが容易に想像できた。
「うぅー、寒かったニャー……」
「さて、何故お前がここにいる? 聞かせてもらおうか」
 毛並みを逆立たせて身震いするペルシアンに、俺は問い掛ける。
「その前に、こっちが先にあんたらが何でこんな場所にいたのか聞きたいところだニャー」
 じろりとペルシアンはピジョンの方へ目をやった。気圧され弁解の言葉も浮かばないのか、ピジョンは困り果ててペルシアンから目を逸らす。
「……まあ、それは後でゆーっくりと聞かせてもらうニャ。
 ボクの方は、あんたらがちゃんとグレンに着けるかちょっぴり気になってニャー。ついでにそこのアホがどうなったのかもニャ。あんなに早く出発されるとは思わなかったからちょっと寝ぼ――」
 ゴホン、と咳払いし、何か言い掛けたのをペルシアンは中断した。
「何でもないニャ。とにかく、グレンまで様子を見に行こうとしてたのニャー。
 そしたらどこか見覚えのあるポッポ共がこの島にいるのを空から見つけてニャー。降りてみれば案の定ってヤツだニャ」
 昨日あんな事言っといて実は心配だったのよ、何でこう素直になれないんでしょうね、だれかさんみたいー、とミミロップ達がくすくすと話す。
 それが耳に入ったのかペルシアンはばつが悪そうに口をもごもごさせる。
「ふふん、変な勘違いするんじゃないニャー。次はあんたらの番、とその前に――」
 オニスズメに目を向け、ペルシアンは何やら合図を出す。


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