第28章


[04] 



 ようやく島上空にたどり着き、少しずつ風船の空気を抜いてゆっくりと地に降り立つ。
 すっかりへばり果たポッポ達はよろよろと籠を下ろしす。息を切らしながら倒れこむポッポ達に、申し訳なさそうに礼を言いながらミミロップとアブソルは籠から下りた。
 ミミロップを運んでいた鳥達の方が明らかに疲労が激しいように見えるのは、ピジョンの助力の差だけなのだろうか。疲労の度合いを見るとピジョンがあちら側にいたとしても――いや、考えるのはやめよう。
 色んながらくたと共に振り出されてぐったり倒れているロゼリアの脇で、ムウマージはロゼリアを気にも留めず落としたがらくたをせっせと拾っている。気の毒に。
 手の取れかけたぬいぐるみが僕をずっと睨んで――などと呻いている。トラウマがまた一つ増えたか。

      ・

 島を探索していると、岩山にぽっかりと開いた洞窟をピジョンが見つけ、俺達はその前へと呼び寄せられた。
 ひんやりとした空気が洞窟から漏れている。
「この中が怪しいと思わないか。この冷気、あの鳥が身を隠すのにぴったりじゃあないか。……探索してみよう」
 疲弊しているポッポ達は外で休ませ、俺達はその洞窟を探索することにした。
 入り口をくぐった瞬間、ぞくりと全身の毛が逆立つ。これは洞窟内部の気温の低さのせいだけではない。
 ――この洞窟、何かが居る。ピジョンの予想は恐らく当たりだ。


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