第28章


[02] 



「では、出発しよう」
 ミミロップとアブソルは、用意された蔓や木などで編まれた簡素ながら頑丈そうな二つの籠へそれぞれ乗り込む。
 籠からは束ねられた蔓が数本のび、その先に括られている太い木の棒をポッポ達が足でしっかり掴んでいる。
 ミミロップの籠はポッポ四羽が担当し、アブソルの方は残りの四羽にピジョンが加わる。アブソルの方が重いと判断されたようだが――実際のところは不明だ。ポッポの無事を祈るとしよう。
 ポッポ達が一斉に羽ばたくと籠はゆっくりとだが持ち上がり、高度を上げていく。
 ムウマージは自分の道具袋の中に無理矢理ロゼリアを押し込み、そのまま袋口を閉じた。
 むーむーと声を上げながらもごもごと動く袋を、けらけら笑いながらムウマージは上下左右に揺さぶる。……こちらも無事を祈っておこう。
 道具袋をしまい込み、ムウマージはふわりと飛んでいった。
 俺も風船の束を結んであるベルトを体に取り付け、重りを切り離す。徐々に体が宙へ浮かび上がっていく。
 いざ、双子島へ。



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