第27章


[05] 



「コレカラノ予定ハドウスルノダ。ココデ休息シテ行クカ?」
 まだ日も高い。進める内に進んでおきたい。
「いや、今はいらん。すぐに発つ」
 これからニャースの様子を見に行く。そうメタグロスに伝えると、俺達はクチバシティ側の出入口へと案内された。
 ニャースが現在いる場所は、今の時間帯ならばクチバシティの北――六番道路を少し東に外れた森の辺りだそうだ。
「恐ラク、ドウセマタ木ノ上デ昼寝デモシテイルコトダロウ」
 メタグロスはため息のようなノイズを混じらせ、そう呟いた。

      ・


「それでは任せたぞ」
「ウム、了解シタ」
 メタグロスに今まで通り一帯の管理を任せ、俺達は別れを告げる。
「ム、少シ待テ」
 出口へ向かおうとしていた俺達を、メタグロスは唐突に呼び止めた。
 振り向くと、ムウマージがずっと持って眺めている透明な薄茶色の石を、メタグロスは興味深そうに見つめている。
 メタグロスの視線に気付き、ムウマージはさっと背の方に石を隠した。
「これムウマージのだもーん。あげないよー」
 ぷいっと顔をそらし、ムウマージはメタグロスから遠ざかる。
「欲シテイルワケデハナイ。ソレハ琥珀デハナイカ? 気ニナルコトガアル。少シノ間、ジックリ見セテホシイダケナノダガ」
 そう云い、メタグロスはこちらにちらりと目配せする。



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