第27章


[04] 



メタグロスがディグダの穴周辺の管理に着任した時は、まだトキワの森は焼き払われた無残な姿のままであった。
 人間達にも森を復興させる意志がある者はいたようだが、訪れる人員は少なく中々作業は進んではいなかったそうだ。恐らくその人間達の管理者が資金を出し渋っていたのではないかとメタグロスは云う。
 それが二年程前、突如として変わった。
 今まで、被害の規模に比べ明らかに足りない人数が数日に一度復興作業に訪れるくらいであったのが、ある日から急に十二分な数に膨れ上がり、それも毎日のように訪れるようになったという。
 作業はあっという間に進み、現在も植林が続けられているらしい。トキワの森が昔の姿を取り戻すのもそう遠くはなさそうだ。
 急に復興にあたる人員が増えたのは、ポケモンリーグによる多大な援助が行われたからだという。
 三年前にチャンピオンの座に就き、現在もその座を守っている者の意向という噂だそうだ。リーグという組織の中でもかなり上の立場に上り詰めているらしい。
 また例のチャンピオンか……。一体、どのような者なのだろう。人間だというのに何故ここまで――。


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