第27章


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かつてのメタングはメタグロスへと進化を遂げており、パラセクトの言っていた通りディグタの穴とその周辺を管理していた。
 メタグロスにディグダの穴へと案内され、互いに積もる話を――と言ってもこちらが用意しなければならないのは、適当なフォローを交えた作り話なのだが――をする事となった。
 脚を畳んで浮遊し先を進むメタグロスの背を追いながら、ディグダの穴の内部を見回してみたが、三年前と特に変わった様子はない。メタグロスによる機械的な管理の賜物であろうか。
 以前に俺達が一応の拠点として利用していた横穴へ通された。
 ここも三年の歳月が経っているのが信じられないほど変化が無かった。ただ部屋の隅に何かの機材と工具が増えているだけだ。メタグロスが自らを整備するためのものなのだろう。

      ・

 一通りの話を聞いたが、殆んどはパラセクトの話と同内容であった。三年前に俺達がシルフビルから姿を消した後、ディグダの穴を任された、と。
 トキワの森の再生について俺は尋ねてみた。たった三年で自然にあそこまで回復するなど、まずありえない話だ。
「ウム。コノ記録ハ、約二年ト数カ月程前ノモノダ――」


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