第27章


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 これは願ってもない話だが――。
「でもどうするんだニャ。お前だけで運ぶのは無理だと思うけどニャー。図体がでかくて重そうなのが二匹も居るしニャ」
 ペルシアンはミミロップとアブソルの方を横目で見ながら尾で指した。むっとした表情を浮かべるミミロップと、申し訳なさそうに少し顔を俯かせるアブソル。
「……何とか仲間を説得してみるつもりだ」
「ほーお、はたして何羽集まってくれるのかニャー? あの辺は誰も行きたがらないのはお前も知っているはずだニャ。良くて三、四羽、とてもじゃないけど全員運ぶのは無理ニャ」
 やれやれといった仕草で尾と前足をペルシアンはひらひらさせる。
 ぐ、と言葉を詰まらせ、ピジョンは觜をもごもごさせた。
 見ていられんな。仕方ない、助け船を出せねばなるまい。
「俺とムウマージならば自力で飛行可能だ。ロゼリアくらいならば我らで運べよう」
 どうやって――と口を開きかけるペルシアンに、俺は頬袋から風船を取り出し膨らませて見せた。
 ムウマージの方は説明不要であろう。今も椅子に寄り掛かるような姿勢で暇そうに宙をたゆたっている。
 むむ、と今度はペルシアンが言葉を無くし、口をつぐんだ。
「助かった、これなら少数でも何とかなりそうだ」


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