第27章


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「んー……鳥に送らせる事ができれば一番良いんだろうけど、それはちょっとニャー……」
 そう云い、ペルシアンは顔を曇らせ渋る。
「何か問題があるのか?」
「前にあの辺りに送り込んだ鳥達が、行方不明になったんだニャ。生き残りの話によるとグレン島からの帰り、双子島近くを通りかかっていた頃だったらしいニャー――」
 ――その時、鳥達は突然の猛吹雪に襲われたそうだ。季節は夏への差し掛かり。有りうる筈の無い天候。
 逃げる間もなく、襲いくる白く冷酷な氷雪の嵐に飲まれ、仲間達は次々と凍てつき墜ちていく。
 唯一の生き残りであるポッポは、リーダーであったピジョットが自らが凍てついていく中で最後に振り絞った力で吹雪の外へと吹き飛ばされ、難を逃れたという。
「ってわけでそれ以来、あっち方面には誰も行きたがらないし、行かせて無いのニャー。だから空から行くのは諦めて――」
「待ってくれないか、ペルシアン」
 樹上より突然、何者かの声がかかる。俺達が一斉に見上げると、そこには先程コラッタを連れていった筈のピジョンがいつの間にか枝に止まっていた。
「……こいつがその生き残りのポッポだった奴ニャ。――何のようだニャ?」
「何か気になるところがあって戻ってみれば――これが運命って奴だな。悪いとは思ったが話を聞かせてもらった。そいつらの空輸、この俺が引き受ける」



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