第27章


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 さて、ペルシアンとの間に交わされた俺達が消えた後の三年間の話であるが、先の二匹と同様なものであった。
 カントー中の情報に精通している分、誤魔化すのは更に難しかったとだけ付け加えておく。だが、それもこいつで最後だ。心持ちが軽くなった分、積もる疲労も少ない。

「これから、あんたらはどうするんだニャー?」
 指針としていたカントー勢の安否の確認はできた。ディグダのみわからないが、所在がペルシアンにさえわからないというのだから諦める他無い。
 きっと恐れをなして逃げ出したんだ、とペルシアンは言う。真偽の程はわからぬが、知った顔とはいえ所詮はディグダの穴に大勢いる内の一匹だ。冷たいようだが代わりがいくらでも居る者にかまけている暇は無い。
 様々な事があったが、今まで通りの勢力を広ぐ旅へとこれでようやく戻れるというわけだ。
 これからのとりあえずの目的地はどうするか決めておかねばなるまい。そこでムウマージの拾った琥珀の事を思い出す。
「古代生物を蘇らせる研究を行っているという施設をお前は知っているか?」
「とーぜんだニャ。グレン島にあるポケモン研究所のことだニャー? そんな海の向こうにわざわざ用があるのかニャ」
「ああ、そうだ。何か方法は無いか」


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