第27章


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「そうそう、コツの話だったニャー。ああいう鼠がたまに居るから、盗み聞きされても分かりにくいようにこっちも工夫してるのニャ――」
 ペルシアンの語った絡繰りはこうだ。
 鳥達はいつも十数羽で構成された四つの決まったグループで行動させている。集めた鳥達の情報をまとめ、ペルシアンに伝えるのはそのグループの一羽だけ。後は全員でわざと一斉にデタラメを適当に言わせているそうだ。
 グループ中の決められた数羽でそのまとめ役は日替わり。ちょっとした暗号で明日の担当を伝えているため、ペルシアン達にしかその役が誰かはわからない。
 コツはその決まった四羽だけに集中して耳を向けていればいいのだという。それでも相当難しいと思うのだが。
「ま、コツを教えてもフツーの耳では難しいと思うニャ。こんなことができるようになったのも、三年前のあの時から何故だか何しても調子がいいおかげかニャー」
 そういえば、パラセクトもそのような事を言っていたと思い出す。
 現ペルシアン達が三年前にシルフビルに来ていたことは俺は直接見ていないためわからなかったが、そこで一体こいつらの身に何があったのか――真っ先に浮かんだのはミロカロスの顔だった。
 三年前にこいつらを何かに利用したのだな――今となってはどういう風に使われたのか知る由もないが。“ツキ”が良くなったのは何らかの干渉の残留物、副作用と云った所か。
 こいつらも気の毒に――。散々に利用された身としては同情を禁じ得ない。


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