第27章


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 その数に圧倒され、俺もミミロップ達も唖然呆然とし木々を見回す。
 ポッポにオニスズメにピジョン、色々な種類の鳥ポケモン達が、枝の上から俺達を見ている。
 こちらを指――もとい羽先で指して小声でクスクス笑い合っている者達や、鋭い猛禽の爪をギラつかせながら俺やロゼリアを見つめて舌なめずりしている輩など、態度も様々だ。
「あんたらへのオモテナシはちょっと待ってほしいニャー。先に鳥達の報告を聞かせてもらうのニャ」
 ゴホン、とペルシアンは咳払いをする。鳥達は静まり一斉にペルシアンへと目を向けた。
「既に知ってる奴もいると思うけど、このヒトらが例のピカチュウサマたちニャー。鳥頭には厳しいと思うけどちゃんと覚えておいたほうがいいニャ。じゃ、いつもの始めるニャー」
 ペルシアンがそう言うと、鳥達はいっぺんに口を開き、ぴーぴーと騒ぎだした。一つ一つが何かの報告のようだが、無数に重なり合いとてもじゃないが聞き取れたものではない。
 目を閉じ、縁の部分だけ黒い耳をぴくぴくと忙しなく動かしながら、ペルシアンはそれを聞き入る。このような状態でちゃんと認識できているのだろうか?

 数分程で鳥達の声は止み、ペルシアンはゆっくりと目を開けた。
「ふむふむ、ご苦労さんだニャ。そっちは特に現状変わらずのようだニャ。そこはそのまま様子を見ておくニャ。……お前ら、そんな細目顔のナンパ失敗の様子なんていちいち毎回報告しなくていいのニャー。そっちは――」
 てきぱきとペルシアンは鳥達に一つずつ指示を出していく。
 信じられんが、どうやらあの複雑に混じった言葉の波一つ一つをちゃんと聞き取り、理解しているようだ。




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