第25章


[24] 



 結局、どうでもいい筋肉達磨の身の上話で無駄な時間を過ごしてしまったか……。
「なぁによぉん? ため息なんてついてぇん。急に聞く態度が悪くなったわねぇ?」
 話にすっかり興味を無くしたことを感付かれたのか、カイリキーが不機嫌そうに睨む。
「ああ、すまんな。少し聞き疲れてな。あー、それで、そのピカチュウはどうなったのだ?」
「んもおぅん! あんたから聞き出したくせにぃ! どうなったかなんてわからないわよぉん。
 戦死したーとか、あたしみたいに他の地方に渡ったーとか、諸説あるみたいだけどぉ。噂も聞かないってことは、とっくに死んでるんじゃなあい?」
 生死不明か。尚更、俺とそのピカチュウが接点があるとは考えにくいな。
「そうか。うむ、非常に興味深い話であった」
「なぁんか心が籠もってないわねぇん……」
「そ、そのようなことは無いぞ。ご苦労であった」
 本当かしらぁ、とぶつぶつ文句を言いながら、不服そうにカイリキーは唇を尖らせている。

 ぐだぐだごねられてまた時間を無駄にする前に、ミミロップ達を呼び出してさっさと出発するとしよう。



[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.