第25章


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「あぁ〜ん、やっと捕まえたわぁ」
 ニヤニヤと笑みを浮かべながら、逆さ吊りの状態で俺を摘み上げる
「さあ、一緒にア・ソ・ビ・マ・ショ!」
 おぞましいほどの分厚い胸板が目の前に広がる
「悪いが―――全力で断るッ!」
 腰を限界まで捻り、奴の顔面に思い切りラムの実を投げつけた
 ―――同時に、軽い電撃を放つ

 パンッ

 軽く明快な音を上げ、ラムの実が弾け飛んだ
 いかにも不味そうな緑の液体が四散する
「アァァアアァッ!目がっ!目がぁ〜」
 激しい痛みに悶絶し、空いている二本の腕で懸命に目を擦っている
 もろ顔面に液体を浴びたのだ、相当目に沁みる筈だ
 どんなに筋肉を鍛えようとも、流石に目は鍛えられないだろう
 俺の体もかなり緑色に染まったが…今は忘れておこう

 しかし、ブンブンと腕を振り回しつつもしっかりと俺たち掴んでを離さない、大した根性だ
「ハァッ、ハァッ」
 やっと落ち着いたカイリキーの目からは未だにボロボロと涙がこぼれ落ちていた
「もうっ!絶対許さないんだから」
「…それはこっちの台詞ですよっ!」
 すでにロゼリアはラムの力で目を覚ましていた
 その顔には怒りがアリアリと浮かんでいる
「覚悟してくださいっ!」
「えぇっ、ちょっとm―――」

 ギガドレイン!

 アッー!



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