第24章


[05] 



 ――すべてが光に包まれた。

 眠る前のようなぼんやりした意識の中で、頭に聞き覚えのある声が響く。
「お疲れ様です。主が無事に戻られ、すべては元通りに。あなたの働きに深く感謝します」

 ――パルキアか。

「悪意は力を奪い取られ、新たな神族として迎えたクレセリアの監視の下、辺境の島に幽閉されることとなりました。
 これは主の裁量によるものです。本来ならば地獄の方がまだましと思えるような責め苦を永遠に――と言ったところなのですがね」

 ――俺達はどうなる?

「あなた方がいたのは時空が捻じ曲がり、本来の流れに沿わない三年前のカントーです。すべてが終わった今、
 三年後のカントー――正常な時空へとお送りします」

 ――カントーで新たに加えた手下は?

「その辺りの辻褄は何とか私達の方で合わせておきます。多少の違いは出るかもしれませんが……
 その辺りはご自分で理解と判断をお願いします」

 ――アブソルはどうなる

「あの魂は器の一時的な埋め合わせでしかありません。本来の主が戻られた今、邪魔でしかないのです」

 ――……!

「ただ、ちょっとした小細工をさせて頂きました。これも主の裁量によるものです。それでは――」





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