第23章


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「バカッ!お前…なぜ?」
「へへッ…友だちを…助け…るのに…理由…なんか…いらないんで…しょう?」
 みるみるうちにアブソルの目が空ろになり、力なく俺の上に倒れこんだ
 背中には鋭い傷が―――

「チッ、邪魔だ」
 片腕でアブソルを摘み上げる
「おとなしく捕まっていればいいものを…だが、こうなってしまってはもう用済みだ」
 ゴミでも投げ捨てるように、アブソルを後ろへ放り投げた

 俺の中に今までにないほどの怒りが湧き上がる
 だがそれはダークライにではなく―――自分自身に対して
 俺は―――友一人守れないほど無力なのか?
 こんな暗い世界しか知らないまま―――友と過ごす幸せを知らないまま―――終わらせていいのか?
 そんなことは―――俺が許さん!



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