第23章


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 この世界の中心――って、何故わざわざそんな危険そうな所へ向かう。
「待て、何故中心になど!? 折角できたあのひびから逃げられはしないのか?」
「あの亀裂では抜け出すには不十分。それにあの核の中には私を生み出した御方が捕われているのです」
 それと脱出に何の関係があるというのだ。
「……その御方とやらを助けられればどうにかなるとでも言うのか?」
「はい、必ず。あの御方は絶対です」
 きっぱりとクレセリアは言い切ってみせる。
 ダークライの中心など何が待ち構えているのかわかったもんじゃない。……だが、これしか頼る道は無い――か。

「わかった、救出に協力しよう。だが、悪意の中心になど近づいて無事に済むのか? 助ける方法は?」
「貴方の持つ腕輪と石板、そしてその欠けらから、あの御方と同じ力を感じます。貴方には、あの御方のご加護が。事実、先程も悪の力を退けました。大丈夫、必ず何とかなります」
 なる程、確かに俺には神の加護が――ん!? つまりクレセリアの言う、あの御方とは――!




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