第23章


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「おのれッ! ミカルゲ!」
 ダークライはニャース達にミカルゲをけしかけようとするが、ミカルゲはぴくりとも動かない。
 メタングから伸びる九本の尾を持つ獣の影が、ミカルゲを貫き、縛り付けていた。再生もできず、ミカルゲは悲鳴を上げながら萎んでいく。
「……我が下へ還れ」
 獣の影は突き刺した九本の尾を広げ、ミカルゲを引きちぎり、四散させた。どす黒い破片は徐々に色が抜けていき、百八個の光り輝く球が天へと昇っていく――。

「……! だが、不意を突かれねば貴様らになど、もう――うッ!?」
 ダークライが突然もがき苦しみ始めた。傷口を押さえ、息を荒くしながら地面を這い、ニャース達を睨み上げる。
「何を――何をしたぁ!?」
「先程も言ったでしょう? 気付いた時にはもう遅い、と。さて、後はあの方しだいですね――」



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