第22章


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「――というわけだ」
 ボーマンダは現状をキュウコンに話す。
「……なる程な」

「実に厄介な結界の張り方です。……おや? そういえばこのやり口――こそこそ隠れていた誰かの時と似ていますね」
 キュウコンを横目で見ながら嫌味ったらしくミロカロスは呟く。
「……何が言いたい」
「貴方のおかげで大きなヒントを得られました。感謝する、と言いたいのですよ。あれを御覧なさい」
 ミロカロスは尾の先で何かを指し示す。

「あの上の穴ぼこからビルに入れそうなのにゃー」
「了解ダ」
 バンギラスとの決戦で開いた穴からビルに侵入しようとしているニャース達だ。

「……主がギラティナの領域に侵入する際に行ったあの方法か」
「ご名答。あの結界はギラティナの結界を模倣したもの。同じ欠陥があることでしょう」
「ギラティナ、我らが探知されない程、精神の奥に深く潜り込むにはお前の力が必要だ。協力しては貰えないか?」
「……いいだろう。貴様らに協力するのは不本意だが、死の律を乱す者を放ってはおけぬ」
「感謝する――」



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