第20章


[08] 



「そこの鼠」
 バンギラスが俺を睨む。
「……何だ」
 負けじと俺もバンギラスを睨み返す。
「あの者から話は聞いている。貴様を追い詰めれば、神のごとき力を持った強者が姿を現わすと。弱者をいたぶるのは我の本意では無いが――」
 砂嵐が一層強く吹き荒れ始める。
「強者との戦いは我が望みなり! 貴様には犠牲となってもらおう!」
 バンギラスが咆哮を上げる。
 奴の狙いは、俺が窮地に追い込まれた時に現われるであろう、ディアルガとパルキアのようだ。
 戦いは避けられそうもない。――どうするか。

「……お前達。ここは俺に任せて先に行け」
 幸か不幸かバンギラスの狙いは俺だけだ。
 後にダークライとの戦いも控えている。ここでミミロップ達を疲弊させるわけにはいかない。
 それに――“神の加護”達が俺にはついている。それにも期待させてもらうとしよう。

「でも――」
「俺は大丈夫だ、早く行けッ!」
「は、はいッ!」




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