第20章


[07] 



「ぺっぺっ、くちにすながはいっちゃったよ〜!」
「痛たた! 何なんですか、これ!?」
 吹き荒れる砂嵐が俺達を飲み込み、傷をつけていく。
 奴が――バンギラスが砂塵の向こうから、大地を踏みならしながらゆっくりと姿を現わした。
 そして俺達を品定めするように眺めた後、ふん、と鼻を鳴らす。
「……塵芥共ばかりか。」
 バンギラスはつまらなそうに、そう呟いた。

「え? 何? どういう意味?」
 よくわからなかったのか、ミミロップがロゼリアに、バンギラスの言葉の意味を尋ねる。
「えーと、『ゴミ』って意味ですかね」
「何ですってー!」
 自分がゴミ呼ばわりされたことを理解したミミロップは怒り、ロゼリアの胸ぐらを掴み上げた。
「い、言ったのは僕じゃないですよ〜!」
「あ、そうだった」
 ぽろりとロゼリアを離すミミロップ。
 こんな時に緊張感の無い奴らだ。

「あの片方潰れた眼、銅のような体色、間違いない。あいつは……」
 ニャルマーが足を震わせながら、バンギラスを見ている。何だ?



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