第20章


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 エントランスの二階にやってきたドンカラスは、二階の手すりにひょいと止まり、下を見下ろした。
 下にいたマニューラがそれに気付き、ドンカラスの方を見上げる。
「やいやい! 何しに来やがった糞ネ――んがっ!」悪態をつき終わる前に、ドンカラスの顔面に氷塊が直撃する。
 効果は抜群、手すりからぐらりと落下し二階の方に倒れこむドンカラス。その拍子に何かを一階に落とした。
「ヒャハ! あー、何かスッキリした。用はこんだけだ、じゃーな──ん?」
 満足して帰ろうとしていたマニューラが、ドンカラスの落とし物に気付き拾い上げる。例の桃色のマニューラが写った写真のようだ。
「ん? これ、俺のダチの写真じゃねーか」
「痛てて、こんの糞ネ──な、何ぃ!?」
 フラフラと起き上がろうとしていたドンカラスだが、マニューラの言葉を聞いた途端、飛び起きて一階に急いで降りてきた。
 そして写真をマニューラから取り上げ、息を荒げ問い詰める。
「こ、この方とダチって……ど、どういう事でえ!?」

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