第20章


[23]



「貴様、何をやっている。我の戦いの邪魔をするか!」
「悪いな、バンギラス。ちょっと待ってくれ」
 声を荒げるバンギラスをよそに、ピカチュウは気絶しているニャルマーを担ぎ上げる。
「この子はもう戦えない。俺がまた相手になる。戦えなくなった者に追い打ちなんて、野暮なことはしないよな?」
「……よかろう。早くそいつをどけろ」
 バンギラスは渋々了承し、ピカチュウは安全そうな部屋の隅にニャルマーを運んでいく。
 そして苛々しながら待つバンギラスの下に、急いで戻った。

「待たせたな」
「どうにも調子が狂わされる。その甘さ、一度死んでも治らぬか」
 バンギラスの言葉に、ピカチュウは苦笑した。
「はは、そうみたいだね。さて、時間が無い。さっさと決着をつけよう、バンギラス」
「……来るがいい!」



[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.