第20章


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――気付くと俺は、床に倒れていた。
 何だったんだ、あの声は……いや、それよりバンギラスは!
 俺は急いで飛び起き、辺りを見回すがどこにもバンギラスの姿は見えない。
 壁には大きな穴が開き、床には所々に爪で掻かれたような深い傷や、電撃か何かで黒く焦げた跡がある。

「気付いたかい、ピカチュウ様」
 後ろから声をかけられ、俺は振り替える。ニャルマーだ。戻ってきていたのか?
 頭が混乱しそうだ。状況がさっぱり飲み込めない。
「一体、何が起こった? バンギラスは?」
「……さあね。それより今はダークライさ。早くミミロップ達を追ったほうがいいんじゃないかい?」
 何かはぐらかされた気もするが、確かにダークライの方も気掛かりだ。
「……そうだな。先を急ぐぞ」
 俺はワープパネルの方に歩みだす。

「……――」
 後ろでニャルマーが何か呟く。
「どうした?」
「何でもない、早く行くよ」




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