第20章


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「流石だな!」
 バンギラスは煙に紛れ、ピカチュウの目前に迫ってきていた。
「ッ! さっきのは目眩ましか!」
 振り下ろされた鋭い爪を、ピカチュウは後ろに跳躍して紙一重の所でかわした。爪の風圧で頬が少し切れ、血が流れだす。

「速い、あの闘気をまとったバンギラスはやっぱりきっついな。こんな時にヤミカラスの黒い霧があれば――」
 ピカチュウの言葉に応えるかのように、黒い霧が部屋を包む。
「! この黒い霧は……」
 バンギラスの周りを舞っていた龍の闘気が、霧にかき消されていく。

「これをご所望かい? ピカチュウ様」
 戻ってきたニャルマーが猫の手でドンカラスの力を借りたようだ。

「君は……」




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