第20章


[15] 



――シルフビル。

「貴様、何を言っている?」
 バンギラスは怪訝な顔をする。
 ピカチュウはぽりぽりと頭を掻いた。
「ありゃ、お前まで俺を忘れているなんて寂しいね。『宿敵』を忘れたのか?」
「宿敵……。! まさか」
 バンギラスは、はっと何かに気付いた様な表情をした。
「やっと思い出した?」
「そうか。くく――」
 バンギラスの口元が弧を描く。
「そうか! ははははははは! 信じがたいが間違いない。地獄の底からから甦ってきたか!」
 バンギラスはかつての宿敵との再開に歓喜し、叫ぶ。
「最早、我らの間に言葉はいらぬ! 戦おうぞ、宿敵よ!」
 バンギラスが腕を前に突きだした。
 すると、吹き荒れる砂の一部が凝集して石の刃となり、ピカチュウを襲う。
「おっと、危ないな」
 ピカチュウは電撃を放ち、襲い来る無数の石の刃を迎撃する。
 電撃を受けた石の刃は爆発し、辺りには煙が立ちこめた。



[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.