第19章


[05] 



「アンタねー、独り占めなんてダメなんだから!」
 ミミロップはビシッとカビゴンを指差す。
「お、おでは腹減ってるんだな。こ、こ、こ、これは絶対に渡さないんだな」
 カビゴンは固くチョコレートの棚を抱え込む。
「説得は駄目そうですね」
「仕方ないわ。それなら力付く!」
 ミミロップはカビゴンの方に駆け出す。
 何だか最近ピカチュウさんに似てきましたね――ロゼリアは呟く。
 カビゴンの手前でミミロップが低く跳ね、飛び蹴りを繰り出す。
 しかし、
「ぜ、全然痛くないでよ」 カビゴンの大きなお腹にボヨンと跳ね返された。
「んな!?」

 体勢を崩されたミミロップは、背中から地面に落ちてしまった。
「いたた……何、あれ!?」
 チョコレートの棚を脇に置き、カビゴンはぽりぽりと蹴られた部分を掻く。
「厄介なお腹ですねー……」
「トランポリンみたい〜」
「た、食べる邪魔するなら、おでも容赦しないでよ」
 戦闘体勢に入ったカビゴンが、地面を両腕で叩くと、コンクリートの地面にヒビが入り地が軽く揺らいだ。
 とんでもない馬鹿力だ。
「ねえ、私達もしかして……ピンチ?」
「……ええ」
「やばいかも〜」




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