第19章


[03] 



「ねえ、何をする気何ですか〜?」
 ミミロップ達はタマムシシシティを人間達に見つからないように、路地裏から路地裏へと進んでいた。
「……うん、あっちね、近いわ」
 ミミロップは鼻をくんくん言わせながら、どこかを目指している。
「ミミロップさんってば〜!」
 ロゼリアの問い掛けを無視し、ミミロップはどんどん歩いていく。

「あ、あったあった」
 路地裏から表通りを覗き込んだミミロップが、嬉しそうに小声で言う。
 え? とロゼリアも同じ方向を覗き見ると、その先にあったのはタマムシデパートだ。
 店先で人間達がチョコレートを売っている。

「……あのー、何をするつもりですか?」
 嫌な予感がして、ロゼリアは不安そうに訪ねる。
「ちょっとあれを拝借に」
「え!? 、もがもご――大声を上げそうになったロゼリアの口を、慌ててミミロップが塞ぐ。
「しーッ!」
「ミミロップ、どろぼ〜?」
「ち、違うって!」
 ミミロップはロゼリアを離し、ジャラッと何かを取り出した。
「これとすり替えるの。堂々と買いになんて、行けないでしょ?」
「それ、人間のお金ですよね? そんなものどこで……」
「ちょっとねー」
 ――関係無い話だが、自宅から財布等の窃盗の被害を受けたと、ハナダシティ在住の有名なポケモンマニアのM氏から、警察に届け出が出されたという。
 しかし、M氏宅に証拠は残されておらず、事件は迷宮入りとなった。
「何でやー!?」と涙ながらにM氏は語る――



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