秘密の放課後


[05]授業


「好きです。付き合ってください!」
アタシは、今告白された…。
隣のクラスの山本君。サッカー部でいつも練習の時見掛けるキーパーの子。ぁまり話した事は、なぃけど。

「…チョット考えさせてもらってもいぃかな?」
「ぅん。いぃ返事だと嬉しい…。」
そう言って山本君は、去って行った。
この事、先生に言ったら何て言うかな…。
あの子と付き合ったら普通の恋愛できるんだろぅな…。
一緒に帰って、休みの日は、デートして。
チャイムが鳴りアタシは、教室に帰った。

偶然にも保健体育の授業…。しかも先生。

「いつもは、この授業山口先生だが、山口先生は、出張の為今日は、先生が担当する。教科書45ページ開いてー。」
いつもは、保健体育の授業なんて何も考えず聞いてるけど、今日は、違う感じ。

「はっ!」
先生と目が合う。何もないのにそらしてしまう。
よりにもよって何で性教育なの…。アタシは、一人赤くなった。
「先生!初体験いつだったぁ?」
クラスの男子が冗談で聞く。
「聞いてどぅするんだ。」
「アハハハハ…。」
クラス中が笑った。
アタシ一人教科書の挿絵をなぞってため息をついた。

「ねぇねぇ妃村ぁ!さっき山本に告られてたの?」
小さな声で聞かれる。
「なっ!なんで知ってるの!?」
思わず大きな声を出してしまう。
「何?妃村告られたの?誰?」
別の子が騒ぐ。
クラスがざわつく。
「ちょっ…やめてょ。」

「そこっ!そういう話は、休み時間にするように!」

「ちぇーっ。」
クラスが少しずつ落ち着きを取り戻し始める。
……先生に聞かれたかな?
「妃村!」
「はぃっ。」
「授業終わったらプリント回収して昼休み俺んとこ持ってきてくれ。」
「わかりました。」

キーンコーン…
チャイムが鳴る。
「きりーつ…れぃ。」
アタシは、先生にさっきの話を聞かれたか聞かれてないかがずっと気になっていた…。


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