秘密の放課後


[18]2人の時間


5分程待った後、車の運転席のドアが開いた。
キーは、助手席のシートの上に置いてぉいた。
エンジンがかかる
「ごめんな…待たせて。」
車をバックさせながら先生が言う。
「大丈夫です。」
車が動き出す。

「麻咲…しばらくそのままで我慢してくれ。」
「はぁーぃ。先生どこ行くんですか?」

「秘密。」

「えーっ!アタシ映画見たいです。」

「そぅぃうことは、早く言え…。もぅ予定くんじゃったょ。」

「じゃぁどこへ連れっていただけるか楽しみにしてます。」
アタシは、先生が自分の為に予定考えてくれたと思うと嬉しくなった。
「そろそろ助手席来ても大丈夫。」

「はぁーぃ。」
アタシは、信号が赤になるのを見計らって後から助手席へ移動した。先生の運転している姿は、真剣でなんだかくすぐったかった。
いつもとは、違う姿。
車で1時間くらい走ったトコロで先生は、車を停めた。
辺りは、すっかり暗くなっていた。着いた所は、人なんて全然いなさそう。
「ここ…どこですか?」

「この街の隠れスポット。」
車を降りる先生。アタシも後をついて降りる。少し歩いた所で先生は、指差した。
「見てみ。」
「わぁーっ!キレイ!!」
目の前には、まるで宝石箱をひっくり返したような夜景が広がっていた。
「いつか…彼氏とでも来るといぃよ。」
…と先生が言った。夜景は、明るかったけど辺りは、暗かったから先生の表情は、わからなかった。
「なんで…そんな事言うんですか…。」

「麻咲…今日は、ずっと一緒にいようか。」
「先生家には、帰らなくていぃんですか?」
「出張…。嘘…ついてきた。」
どんな時でも家には、絶対帰ってた先生なのにどうしたんだろ…。アタシは、胸の奥がチクリとした。

アタシも親に友達のトコロへ泊まると嘘をついた。


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