〜過去〜ツバキ〜


[08]決定事項


「どうして私なんですか?」
椿は、戸惑うばかりだった。

「奥様に聞いてみて。私にもわからないわ。何か事情があるんでしょうけどね……。」
ハーブティーを飲みながら夢が外の景色に目をやる。

椿は、その事情という言葉が妙に引っ掛かった。

「明日からお願いね。それじゃ…仕事に戻って。」
夢が有無をいわさず椿に言う。


「失礼しました…。」椿は、準備室を後にした。
扉を背に…椿は自分にできるのだろうか…と不安に駆られた。


無理もなかった……。12歳の少女が1人仕事を任されるのだから。

得体の知れない人物の。




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