〜第3章〜


[07]歩矛


本当は、役にたちたいんだ。

側にいたいんだ。

お願い……捨てないで。

「…はぁはぁっ…。」ハルカは、夢を見た。レイが遠くに行ってしまう夢。

今までは、誰にも心を許さないようにしてきた。
自分が傷付くのがイヤだから。
自分を守る為に……。
ベッドから立上がりリビングに行こうとしたらレイの声が聞こえた。

「…誰だ?」

ドアを開けるとそこには、綺麗な女性がいた。
「…………。」

「あぁ。ハルカさんやっと起きました?」

「う…うん。」
思わず警戒心イッパイの目で女性を睨付ける。
「…こちらがお話ししていたモデルを引き受けてくださる歩矛さんです。」

「…アユムって女だったのか。」


「よく男性と間違われるゎ。名前だけ聞かれる方はね。」
歩矛が長い黒髪を手でサッとなおす。
その瞬間いぃ香りが漂う。
ハルカは、その香りにドキッとする。
男には、感じられない女の人の匂い。

「えっとこちらがハルカさんです。同居人の。」

「…ども。」


「…へぇ〜アンドロイドなの?」

ハルカの手首を見ながら歩矛がレイに訪ねる。

「…俺は、れっきとした人間だ。唯、売られてただけだ。」


「…あら。ごめんなさぃ。こんな綺麗なのに売られるなんてね。」
勝ち誇った笑みを浮かべる歩矛。

ハルカは、コイツ嫌いだと思った。

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