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負けない!!負け犬【３】～私とＪｒ.と銀時と～《連載中》

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[07]８月２２日(華蓮)

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非番の日も、赤ん坊がいると全く休まらない。

オムツ交換に授乳に家事、それに加えて…

♪ジリリリ～ン

｢はい坂田ですが。｣

『こんにちは。奥様でいらっしゃいますか？

只今赤ちゃんのいらっしゃるお宅にお電話差し上げておりまして、英語教育ＤＶＤの御案内をさせていただ…』

｢うちは結構です。

主人がアメリカ人なんで間に合ってます。｣

ガシャンッ！

こんな具合に、次から次へと電話販売や訪問販売がやって来るのだ。

英語ＤＶＤだ？
日本語もろくろく喋れない赤ん坊に、英語覚えさせてどうすんのよ。

全く、どっから赤ん坊がいるっていう情報が流通してんだか。

♪ピンポーン

｢ごめんくださーい。

只今、産後すぐのお母様のいらっしゃるお宅に訪問させていただいておりまして、このような物をお渡ししております。｣

セールスマンか。

今度は何だ。

｢ダイエット食品、その名も【ヤセコケール】です。

産後はどうしても太り気味になってしまいがちですよね。そこで我が社の開発したダイエット食品を飲めば、たちまちのうちに…｣

｢痩せるのね？

そして身が小さくなるのね？

よーし分かった。定春ー、ちょっといらっしゃい！｣

奥の間で金太郎とお昼寝をしていた定春を玄関に呼び出し、セールスマンの前にお座りさせた。

｢こんな大っきい犬なんだけど、その薬どんくらい飲んだら小っちゃくなんの？

大っき過ぎて、食費がバカになんないのよね。｣

｢ワンッ！｣

見たこともない巨大な犬を目の前にし、セールスマンは腰を抜かしそうになりながら逃げ出した。

ケッ。雑魚が。

しばらくすると、また玄関のチャイムが鳴った。

｢只今、産後すぐのお母様のいらっしゃるお宅に訪問させていただいておりまして…｣

もォ～またなの！？今度は何！！

｢産後はどうしても髪の毛が抜けやすくなり、前頭部や後頭部が薄くなりがちですよね。

だけどアデ○ンスやリ○ブ21に行くのには抵抗があるでしょ？

そこで我が社では各お宅に訪問し、自宅でカツラをお作りして差し上げるというサービスを行っておりまして…｣

｢それってカッコよくなんの？｣

｢勿論でございます。どなたでも素敵に輝かせて御覧に入れますよ！｣

｢あ、そう。
銀時ー、ちょっといらっしゃい。｣

ソファーでジャンプを読んでいた銀時を玄関に呼び出し、セールスマンの前にお座りさせた。

｢こんな白髪天パでも、真っ黒なサラサラストレートにしてくれんのね？

そんでこの死んだ魚みたいな目に輝きが宿るのね？？

カッコよくなんのね！？｣

｢オイ、なんだよ、マジでか！？

兄チャン、俺の髪の毛真っ黒サラサラストレートにしてくれんのかよ！？

なんだ、お前イイ奴じゃんよォ！

あ、じゃあさじゃあさ、あの～アイツみたいにしてよ、アイツ。

小栗旬之助！！｣

｢ホラ、やんなさいよ。

うちの旦那、小栗旬之助にしてみなよ。出来るんでしょ？

ホラホラ。｣

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