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負けない!!負け犬【３】～私とＪｒ.と銀時と～《連載中》

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[02]８月４日(近藤)

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今日、華蓮さんが産休から復帰した。

産後少し顔にお肉が付いたようにも見えるが…

いやいや、いかんいかん。

彼女にそんな言葉を投げ掛けてみろ、命取りになりかねん。

｢母親らしい顔つきになったね。｣

俺は赤ん坊を抱える彼女を、そんな月並みな言葉で迎えた。

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先日の松平のとっつぁんの身勝手な一言により、屯所に託児所を設けられなかった為、毎日真選組(うち)の者が交代で赤ちゃんのお世話をする羽目になってしまった。

｢やはり何でもお初は局長でしょう！

みんなのお手本ですからね、お・手・本！！｣

隊士達からの熱い押し付けにより、まずは今日、俺から子守りをする事になった。

華蓮さんから預かったバッグには、お湯の入った水筒、粉ミルク、哺乳瓶、清浄綿、それに紙オムツにおしり拭きに着替えという、《ママの七つ道具》が入っていた。

そうか。赤ちゃんがいると、お出掛けにもこれだけの荷物を持ち歩かなければならないのか。

片手で持ち上げてみると、赤ちゃんと大差無い重さだ。

｢ママって大変なんでちゅね。｣

腕の中でキョロキョロと部屋を見回す金太郎ちゃんに話し掛けた。

すると、俺が顔を近付け過ぎたせいか、それまでおとなしかった金太郎ちゃんが、突然｢ワァーン！｣と泣き始めた。

手足をバタつかせ、狂ったように泣く。

｢あ～ごめんごめん、嫌だったんでちゅか？

それとも怖かったんでちゅかァ～？｣

慣れない子守りに焦って揺さぶりながらあやすが、なかなか金太郎ちゃんは泣き止んでくれない。

どうにか泣き止まらせなければ…

たしかおっぱいはあげたばかりって言ってたし、オムツもまだ大丈夫なはず。

じゃあ次なる可能性は…

俺は助け船を求めるべくバッグをひっくり返し、中身を全て出してみた。

すると、先程まで目に付かなかった伏兵がお目見えした。

おしゃぶり！

｢おぉ金太郎ちゃん、おしゃぶりがありまちたよ！

ほ～ら、これをお口にパクパクちまちょーね。｣

いそいでそれを拾い上げ、くわえさせると、金太郎ちゃんは先程までの火が着いたような泣き声から一転、ちゅくちゅくと吸いだしおとなしくなった。。

強力な助っ人の出現にほっと胸を撫で下ろし、溜め息をついた。

満足したのか、金太郎ちゃんは涙を湛えたまま、うつらうつらと瞼を閉じ始めた。

しかし口は動く事を止めない。

なんてかわいいんだろう。

こんなに小さな生き物が、睡魔と戦いながらも一生懸命に吸い続けている。

しかし、しばらく静かにこの様子を見ていた俺だったが、ふとある衝動に駆られた。

おっぱいあげてみたい。

取り敢えず口淋しいって事なんだろ？

だったらおしゃぶりじゃなくても、口になんかありゃいいって事だろ？

つまり俺のおっぱいでもいいって事だろ！？

俺は、金太郎ちゃんがまた泣き出さない様そろりそろりとシャツをたくし上げ、哺乳瓶の乳首を拭く清浄綿で自分の乳首を拭いた。

一瞬ヒヤリとした感触に身震いしたが、気を取り直し、おしゃぶりを口から離し、金太郎ちゃんを俺のおっぱいに近付けた。

す…吸ってくれるかな？

やっぱママのじゃないと嫌なのかな？

金太郎ちゃんは俺の乳首を目の前に、じっと見つめている。

吸おうか吸うまいか、かなり迷っている様子だ。

しかし…

数秒後、金太郎ちゃんは意を決したようにパクリと乳首に吸い付いた。

やった！

俺のおっぱいが【おっぱい】として認められた！！

金太郎ちゃんは、一心不乱に俺の乳首を吸い続ける。

その感触は、本来ママにしか感じられない貴重なものであるはずだが、それを今俺は、あろう事かリアルに体感しているのだ。

｢こ…これがママの感触…｣

くすぐったい様な、しかし赤ん坊の愛をダイレクトに感じられるような感触に、感動すら覚える。

思わず声が漏れた。

その時だった。

｢局長、失礼します。

うちの金太郎、どんな様子…えっ!?｣

｢あぁっ華蓮さん！！

いや、その…コレはその～…アレだ。

うん、いつか俺にも乳が出た時の予行演習だよ。

気にするな！

あははは…｣

｢気にするわ、アホ～！！

何うちの子供に、そんな毛の生えたような薄汚い乳首吸わせてんのよ！！！｣

俺は乳首を吸われながら、首にラリアットを喰らった。

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