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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[07]１０月１９日

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一週間の休みを取った。

有給休暇はいっぱい余ってるんだから、ミツバちゃんの弔いの為にたっぷり使おう。

今朝の新聞に、真選組がミツバちゃんの婚約者率いる密輸団を捕えたとあった。

日付は昨夜…。

なるほど。

土方さんと一緒に総悟君も戦いに行ってたわけね。

ミツバちゃん

あなたの愛した男達は

あなたの為に

戦い抜いてくれたよ…

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お通夜の会場となる葬儀場は、朝から支度で大変だ。

何せ女手の無い男所帯なもんだから、世話が掛かる。

訪れた参列者へのもてなし、若い隊士達の礼服の調達、食事の買い出し…

｢どうもすみませんね、山田さん。｣

話し掛けて来たのは、病院に総悟君を迎えに来た、あの体格の良い人だった。

先程ご挨拶をし、真選組局長の近藤さんである事を知った。

｢入隊前からしっかり面倒見てもらってるみたいで、ホント助かってます。

女手の有難さが身に染みますよ。

入隊してからもお母さん的存在としてお願いしますね、山田さん！｣

…お母さん…ってか。

複雑…。

・―・―・―・―・―・

お坊様が来る前に死化粧を施そうと、部屋に入った。

白い布を被せ、布団に寝かされているミツバちゃんの傍らに、一人の隊士がうずくまっている。

｢土方さん、失礼します。｣

彼は微動だにしない。

それ以上話し掛ける事はせず、私はメイク道具を広げた。

｢…淡いピンクの口紅をさしてやってくれ…｣

彼女の好きな色だった。

そして彼女に一番似合う色だった。

土方さんはそれを知っていた。

注文通り淡いピンクをリップブラシに取り、丁寧にミツバちゃんの唇にのせる。

そうだ、グロスも好きだつたよね。

目元はグリーン系が似合う。

この肌ならチークはこの色…

土方さんに、このメイクをもっと早く見て欲しかったよね。

｢キレイだぜ…

なんて言ってやったって、もう遅ぇよな…

ミツバ…｣

『そんな事ないわ。

ありがとう十四郎さん。』

彼女の声が聞こえた気がした。

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