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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[04]１０月１５日

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さすがミツバちゃん。

｢何か悩みがあるのね。｣

と、いとも簡単に見抜かれてしまった。

いや、もしかしたら無意識に、明らかに悩んでいる表情をしていたのかもしれない。

しかし打ち明けるべきか迷った。

彼女は余命いくばくもない、未来の無い身。

それに対し私の悩みは前途あるものだ。

話を出し渋っていると、それを悟ったのか、ミツバちゃん自ら｢聞かせて｣と乞うた。

私は今や親友とも呼べる彼女に隠し事をしたくないと思い、意を決し打ち明けた。

｢今度新設される真選組女子隊の隊長にスカウトされて、どうしようか迷ってるんだ…。｣

正直に伝えた。

すると彼女は今まで見た事も無い位大きく目を見開き、

｢きゃ、ステキ！ステキよ、華蓮ちゃん！！｣

と病棟中に響き渡る程の大音量で叫びながら、私に抱きついてきた。

首に巻き付けられた細い腕には、沢山の点滴が刺さっていて痛々しい。

危険だと思いながらも、喜んでくれる彼女の気持ちが嬉しいのでそのまま受け入れる。

｢お願い、絶対真選組女子隊長になってね！

きっとそれは全女子の夢よ！憧れよ!!

あなたはその夢を担い、女性の未来を開拓してよ。

そして…｣

ミツバちゃんは顔を上げ、懇願するような目で私に訴えた。

｢真選組に添い遂げられなかった私の代わりに、彼らと共に闘って…！｣

ミツバちゃんは、真選組メンバーが田舎から江戸に昇る際、愛する人に｢私も付いていく｣とせがんだが、結局は願いは叶わなかった…という過去がある。

その時の切なる気持ちが、真っ直ぐに私を見つめるミツバちゃんの目から痛いくらいに流れ入る。

私の答えは決まった。

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