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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[03]１０月１３日

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どうしよう。

どうしたらいいんだろう。

私は看護の道で生きて行くつもりでいたのに、考えた事も無い世界からお誘いを受けてしまった。

今朝、内線で

｢至急、院長室に来るように｣

と呼ばれ、自分の胸に｢何をやらかしたかしら｣と問いながら、廊下を小走りして院長室に向かった。

院長室に恐る恐る入ると、そこには部屋の主である院長、私の上司である総看護師長と病棟看護師長、それに何故か

…警察？

黒く丈の長い立派な制服に白いスカーフを巻き、室内にもかかわらずサングラスをかけて葉巻を燻らせているロマンスグレーが、私にニヤリと微笑みかけてきた。

この制服は見た事がある。確かミツバちゃんの弟の総悟君が着ていた制服に似ている。

しかしその制服を着た人が私に何の用…？

誰かが言葉を発するのをじっと待っていると、葉巻をゆっくり吐き出しながらロマンスグレーがとんでもない言葉を放った。

｢山田華蓮ちゃん、アンタ真選組に来てくれないかい。｣

…はい？
あまりに唐突かつ簡略的な言葉で何も理解出来ないんですけど…。

真選組って、あの対テロ用武装警察の事よね？

｢先日ねぇ、廊下での乱闘騒ぎの時、オジサンたまたま見ちゃったんだよね～、華蓮ちゃんの立ち回り。

いゃ～、素晴らしい腕をお持ちだねぇ。

あれ見てオジサン、今度新設する真選組女子隊の初の隊長は華蓮ちゃんしかいないって、ビビビッて運命感じちゃったんだよねぇ～♪

だから、是非君に来て欲しいんだよぉ。

返事はいつでもいいよぉ～う。

ちなみにオジサンめちゃくちゃ華蓮ちゃん気に入っちゃったから、華蓮ちゃんが来てくれなかったら女子隊設置自体も辞めちゃうからね～♪｣

自分の言いたい事だけ言ったらサッサと腰を上げ、私の手を取り丁寧に名刺を手のひらに置いて去った。

警察庁長官【松平片栗虎】

…変な名前。
とりあえずここに連絡しろということらしい。

あまりに突然過ぎて、まだ何も考えられない。

ちょっと頭ん中を整理しなくちゃ…。

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