†*†*†*†*†*†*†*†*

《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

†*†*†*†*†*†*†*†*

[19]１月４日２８歳

†*†*†*†*†*†*†*†*

明日ホテルニューオータラの大広間にて、真選組女子隊設置の発表記者会見を行う。

ニュースやワイドショーや新聞、雑誌…あらゆるメディアが挙って取材に来る。

当然その席に私も出席するのでそれに備えて髪結い処へ行き、ちょいとめかし込んで来よう。

行き付けの髪結い処でヘアカタログを見る。

いつもはカラーとカット…ロングの髪を調えてもらう程度なのだが、

今日は気合いを入れる為

｢肩くらいのウルフにしてちょうだい。｣

・―・―・―・―・―・

こんなにバッサリ髪を切ったのは久々だ。

おそらく学生時代以来だろう。

軽くなった頭に少し違和感はあるが、新しい自分に生まれ変わった気持ちになる。

カラーもいつものイエロー系からチェリー系に変えてみた。

気持ちと頭がスッキリした今日は、街を歩く足取りも軽い。

さぁ～て、明日の記者会見頑張ろっと！！

｢え！！ウソ、髪切っちゃったの！？｣

背後から聞き慣れた声がする。

銀時だ。

｢じやあこれはダメなのか！？
意味無いのか！？
マジですか！！｣

｢どうしたの！？
何が！？
ちょっと落ち着きなさいよ。｣

勝手に子供みたいに騒ぎ立てる銀時を宥める。

半泣きの銀時は懐から紙包みを取り出した。

｢お前にやろうと思って、
いっぱいいろんなお店探して、
やっと似合うのが見付かったんだよぅ…｣

紙包みの中からは、パールであしらわれたバレッタが出て来た。

｢わぁ、素敵！ありがとうね、銀時。
その気持ちだけで十分よ。

…あれ？でも何でプレゼントくれるの？
遅れたお年玉？｣

何の悪気も無く素直な疑問を投げ掛けた。
すると、

｢はあぁ！？

バカ、お前マジで言ってんの！？

調子ぶっこいてっと銀さんマジで怒るよぉ。

今日は

華蓮のお誕生日でしょうが。｣

誕生日…

あ、今日１月４日だ。

私の誕生日だ。

｢お仕事ばっか頑張ってっからだよ。

誕生日思い出すぐらいの生活の余裕持てよ。

じゃな。｣

彼はくるりと方向転換し、２・３歩進んだが今一度こっちを振り返り、私の目を真っ直ぐ見つめて言った。

｢誕生日おめでとう。

もう…２８歳だな。｣

昔、似たようなお話を絵本で読んだ。

『賢者の贈り物』だっけ。

あの話、旦那は金時計売っちゃったから鎖を貰った意味無いけど、奥さんは髪が伸びるのを待てば、いずれは髪飾りをつけられるんだよね。

ありがとう銀時。

髪、また伸ばそうかな。

・―・―・―・―・―・

屯所に帰り、明日の記者会見の打ち合わせをしに局長室へ行く。

｢ぶえぇ～ん！！
何で、何でだろうね！？

何でお妙さん、あんなに初詣が嫌いなんだろうね！？

教えてよ華蓮さん！！｣

どうやらこの正月三が日、近藤さんは愛しの志村さんちのお妙さんを初詣に誘い続け、その都度コテンパンにのされていたらしい。

自分では[お妙さんは初詣が嫌いだから断られた]と思い込んでいる様子だが、実際嫌いなのは初詣ではないと思う…。

†*†*†*†*†*†*†*†*
[前㌻] [次㌻] ［*］ﾎﾞﾀﾝで前㌻
［#］ﾎﾞﾀﾝで次㌻ †*†*†*†*†*†*†*†*
[←戻る] †*†*†*†*†*†*†*†*
†*†*†*†*†*†*†*†*

《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

[19]１月４日 ２８歳

[19]１月４日２８歳