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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[15]１２月３１日

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大晦日。

田舎から出て来ている隊士達は正月休みを取り、実家へと帰省する。

残った者がシフトを組み、正月間の街を衛る。

これが例年のシステムだそうだ。

再三のお願いでようやく私に敬語を使わなくなってくれた局長から、｢華蓮さんは田舎に帰らないのかい？｣と尋ねられた。

この先永らくお世話になる身だ。
洗いざらい知ってもらっておく方が楽だろう。

そう思い、私の身の上を話した。

私の両親は幼い頃に離婚し、私は母に引き取られた。
母子家庭でずっと過ごしてきたが、私が成人したのを機に母が再婚した。

それ以来実家には帰っていない。

帰省したところで知りもしないオッサンとなんか寛げるはずがない。

ましてや寝正月なんてとんでもない話だ。

現在母とは電話連絡しか取っていない。

それを聞いた局長はしばらく黙っていたが、気を取り直したように口を開いた。

｢自分が辛い思いをした人は、人の痛みも知っている。
君は良い隊長になれるよ。

真選組にはいろんな境遇の隊士がいる。

君と同じ理由で正月をここで過ごす奴だっている。

だから、そういう奴らのケアをしてやる立場なんだよ、俺ら幹部ってのは。

さしむき華蓮さんはお母さんってとこかな。

わはははは…｣

さすが局長、良い事言うわ。

しかし最後の【お母さん】という下りは引っ掛かる…。

未婚だ、私は。

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今年は女子隊長室で除夜の鐘を聴いた。

今の私はこの間の銀時の件で煩悩だらけだ。

早くあの男の事は忘れられますように…

私はあの男の事を愛していませんように…

百八つの鐘に願った。

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