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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[16]１月１日元旦

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除夜の鐘をつきに来た参拝客の整理を務めた隊士が、お寺から戻って来た。

それと入れ替わりに、初詣客の整理をしに私達残りの隊士達が赴く。

外はまだ夜が明け切ってない。

分厚いコートにマフラーと手袋を身に付け、身震いしながら神社へ向かう。

今年は私にとって人生を大きく揺るがす年になるだろう。

自分という芯をしっかり持ち、何事にも動じない私になるんだ。

何事にも動じない……

……出来るかな。

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午後から、局長と土方さんと各隊隊長が松平氏の所へ年始の挨拶に行く事になっている。

恒例行事らしい。

皆さん紋付き袴の晴れ姿でお目見えだ。

もちろん私も晴れ着で同行する。

｢おおぉ、良く似合ってますぜぃ。

馬子にも衣装って…｣

｢！！｣

慌てて皆が総悟君の口を押さえ、｢見逃してやって下さい｣と言わんばかりの目で訴える。

そんなに恐れられるほど私は危険人物なんだろうか…。

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警察庁長官・松平片栗虎邸は平屋建ての立派な和風建築で、庭には大きな池と鯉、一間以上ある玄関には大きな壺…と、絵に描いたようなお金持ちの大邸宅だ。

通された客間にはそれはそれは豪華なお節料理が並んでいる。

わぁ、真ん中に反り立っているのはもしや伊勢海老クンじゃないか！？

数の子さんには金粉かかってるよ、金粉！！

こんな所で気を使って食べるんじゃなく、持ち帰って気兼ね無く食べたいよ…。

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宴も盛り上がり、しこたま食べて飲んで完全に出来上がってしまった片栗虎氏が突然立ち上がった。

｢じゃ～ぁ今年もあげちゃおっかな～♪

皆にお年玉とかあげちゃおっかな～♪

イエーイ！！どんどん、パフパフパフ…｣

擬音がイマイチ古臭いが、冬のボーナス以外にお年玉までくれるなんて、片栗虎氏はどんだけ慈悲深いお人なんだろう。

男性陣にはのし袋が配られた。
そして私には…

…アレ？私には無いの…？

｢華蓮ちゃ～んにはコレ～！｣

片栗虎氏は私の側に座り、先程の言葉とは似つかわしくないくらいに仰々しく何かを手渡した。

…刀？

｢そ～ろそろ見習い時期も卒業だろぉう。

近藤によれば剣の腕も上がったっていうじゃん。

だったらもうコレ、いるでしょう～が。｣

鞘からそっと刀を抜いてみる。

銘が彫ってある。

【百華】

この日からこの刀が私の相棒となった。

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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

[16]１月１日 元旦

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