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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[12]１１月３０日

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今日、お世話になった大江戸総合病院を退職した。

いずれは病棟主任、そしていつかは総婦長に…と夢見て精を出した職場だったが、結局は何故か全く違う畑で頑張る事になってしまった。

こんな事になるなんて自分でも予想だにしていなかった。

でももう後戻り出来ない。

前を向いて

正しいと思った道に

胸張って

歩を進めるのみ

病院を一歩踏み出した瞬間から

私は

真選組女子隊隊長

山田華蓮

・―・―・―・―・―・

病棟を発ったその足で、真選組屯所へ向かう。

病棟の同僚達がくれた大きな花束を両手で抱えて屯所の門をくぐると…

｢お帰りなさい、女子隊長。
一同、敬礼！！｣

局長をはじめとする男子隊士達が廊下にズラリと整列し、勇壮な力強い敬礼で私を出迎えてくれた。

｢真選組女子隊長　山田華蓮、
ただいま帰着いたしました！！｣

自らを焚き付けるように、

そして

皆に決意を表すように、

返礼した。

私の新しい居場所はここだ。

・―・―・―・―・―・

今日から屯所内に私専用の仕事部屋が用意された。

入り口には｢女子隊長室｣と表記されている。

改めて立場を自覚させられる。

女子寮は屯所裏に二月に完成する。
居はいずれそこに移し、女子隊長室は仕事にのみ使う事になる。

女子隊長室に入る。

木製の机の上には、真新しい私サイズの隊服が置いてあった。

女子の隊服を決める際、松平氏と近藤局長は

｢ミニとは言わない。せめてタイトスカートかキュロットスカートにしてくれ！！｣

と私に懇願したが、

｢女子隊は男子隊士達の目を肥やす為に設置される訳ではない｣

と冷酷なまでの言い方で却下した。

結果、男子隊士と同じタイプの隊服に決定した。

早速試着し、姿見で確認する。

白いスカーフは光を反射し、顔を明るく見せる効果があるらしい。

最近小皺が見え始めた目元も、お陰様で目立たなくなった。

うひひ、こりゃえぇわい。

真新しい隊服姿で、改めて局長室へ挨拶に伺う。

入室すると、局長の他、土方さんと総悟君も同席していた。

｢おぉ、良く似合ってますぜぃ。
馬子にも衣装って奴ですかねぃ。｣

｢！！｣

総悟君の言葉に局長と土方さんが青ざめる。

｢あわわゎゎ…総悟クン！？駄目でしょ、山田さんにそんなこと言っちゃ！！｣

そうか、私は既に腫れ物扱いか。

そりゃ局長を殴る蹴るしちゃった女なんだからな…。

まあ最初にビビらしとけばこれから先、女だからと言って軽んじられる事もないだろう。

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