オヤシロ様の祟り


[09]9


「これで消毒しないよりましになるだろう。」
圭一は沙都子から貸してもらったハンカチで傷口にまいた。
「ありがとうございます、圭一。」
梨花は嬉しいそうに圭一に礼を言った。
「沙都子の足にも濡らしたタオルをあてれば大丈夫だ。」
圭一は濡らしたタオルを沙都子の足にあてた。
「ありがとうです…」
「あとは誰かが捜してくれるのを待つか…」
圭一の言葉を最後に三人は誰も喋らなくなった。
「聞いてもいいですか、圭一?」
「なんだ…」
「どうして私達を助けたんですか…圭一は嫌っていたはずなのに。」
梨花は圭一の目を見つめて尋ねた。
「困っている人を助けるのは当たり前だろ…それによく父さんに言われてたし。」
最後らへんの言葉は悲しいそうに呟く。
「圭一さんのご両親は東京にいらっしゃるのですか?」
「…殺された。」
「ごめんなさい!」
沙都子は慌て圭一に謝った。

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