オヤシロ様の祟り


[07]7


「沙都子!」
梨花は沙都子が落ちた崖の淵を覗き込みながら叫んだ。
「大丈夫ですわ…ただ足を捻ったみたいで…」
「沙都子…今すぐ助けを」
梨花が言いかけたところで崖が崩れ梨花までが落ちてしまった。
「大丈夫ですか、梨花!?」
沙都子は足を引きずりながら梨花のところに歩みよった。
「大丈夫です…」
梨花は腕を押さえながら言った。
「血が出てますわ。」
沙都子は慌ててハンカチを傷口にあてた。
「どうしますか、梨花?」
「たぶん上に圭一がいるはずだから助けを呼んでくれるはずです。」
梨花は沙都子の頭を撫でながら言った。
「そんなことしてくれませんわ。」
沙都子は首を振りながら否定した。
「おい、大丈夫か!」
上から息を荒くした圭一が二人に声をかけた。
「大丈夫です。」
梨花は安心させるように言った。
「バカか、こんな危険なところのこのこ歩いて行くじゃね…沙都子、あと梨花もだ何ミイラとりになってんだよ。」
圭一は初めて二人の名前を呼んだ。

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