オヤシロ様の祟り


[02]2


梨花は一人で窓辺で酒を飲んでいる。
「梨花…あまり飲みすぎると身体にさわりますよ。」
先ほどまで梨花、一人だけだった部屋に突然に巫女の服を着た女の人が現れた。
「何かよう…羽入。」
梨花は静かにしかし威圧のある声で羽入(はにゅう)に尋ねた。
「梨花…また起きてしまいましたね。」
羽入は悲しそうに呟く。
「なれなさいよね…何回も見てきたじゃない。」
梨花は不機嫌そうに羽入に言いながら酒を飲む。
「けど、今回は…」
「五月蝿いわよ、諦めたらそこで終わり。」
「梨花…」
「私は諦めない、この因縁を断ち切る…私は生まれ変わるたびに何回も決意してる。」
梨花は厳しい目で羽入を見つめた。
「…そうですよね。」
「今回は前までとは違う誰か一人が行動するのではなく…個人だけど行動を起こそうとしている人間もいるはずよ。」
「悟史ですか?」
「前までは有り得なかった、けど悟史と圭一は出会った…私は二人にかけてみたい。」
梨花は月を眺めながら酒をまた飲み始めた。

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