お祭り


[02]2


「大丈夫だよ、それより手を見せて。」
悟史は圭一が反抗ができない笑顔で言った。
「…うん。」
圭一は恐る恐る悟史に手を差し出した。
「血が出てるね、消毒しなきゃね。」
悟史は圭一の手を自分の顔の近くに寄せ眺めた後舐めた。
「さ、悟史!?」
「消毒できたよ。」
悟史は何事もなかったように笑った。
「俺、そろそろ戻らなきゃ。」
圭一が悟史から離れ歩き出した。
「待って、圭一。」
悟史は圭一の腕を掴んだ。
「何、悟史?」
圭一は首を傾げて聞いた。
「明日も会いたいな。」
「えっ…気が向いたら来る。」
「わかった、じゃあね。」
悟史の言葉を聞いてから圭一は走って行った。
「またね…」
悟史は静かに呟いた。

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