第一章


[05]一姉さん


相手は、血のつながらない二つ年上の姉、一だった


「お早うございます、由斗」
一は笑みをうかべて由斗を見る
「おはよう、一姉さん」由斗も明るく笑って挨拶を返した


一は血がつながっていないことを知りながら由斗のことを実の妹のように可愛がってくれる


「由斗、父様が呼んでいます」一の話し方は、敬語が少しくだけたような丁寧な言葉遣いだ


その話し方が耳に心地よくて、安心できたから、由斗は小さな時から一と話をしたり遊んだりするのが大好きだった
もちろん一自身のことも好きだ




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