黒猫の君と白猫の僕(君と私番外編/完結)


[02]捨て猫1


おじいちゃんにまた怒られた。
『集中できないなら、出て行け』って怒られて、道場からつまみ出されちゃったんだ。

僕、まじめにやってるんだけどな…なにが、ダメなんだろ?
おじいちゃんみたいに強くなれないよ…
だって、僕はまだ小さいんだもん。

ミィーミィー…ミュー…ミイィィィ…
小さな音が聞こえた。子猫の鳴き声?
小さくて弱くて、とても不安にさせられる声…
聞き間違いかもしれない…
でも僕は、音のする方向に歩いていった。

もし、これが子猫の声だったら…とても寂しいから鳴いているのだろうと思ったから…



ほんのちょっと歩いてみたら、声の近くまでたどり着けた。
声は、公園の中からしてた。
もう、薄暗くなってしまった公園には、人がいなくて、なんだか僕も寂しくなってしまった。

「にゃーん。にゃー。にゃー」
猫の鳴きまねをしてみる。それで、子猫がお母さんだと思ってくれればいいと思った…
けど、子猫はだまされてくれない。声だけはするものの、姿は全然見せてくれない。

どうしたらいいんだろ?
僕の家ではペットを飼ってないから、わからない。
わからない…

「はぁー。どうしたらいいんだろ」

公園の中は誰もいなくて、何かを教えてくれる人なんていそうにもない。

僕じゃダメなのかな?
子猫はお母さん猫の方がいいよね?お母さん猫、早く見つけてあげてよ…


[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.