闘魂!第8巻


[03]第70話


宇治「紅葉君!手を」

金時「誰の手を握ってんだ!」

和也「やれやれ…風花!」

ビュー

強い風が吹き荒れる

和也「ほら晴れた《周りだけ》」

宇治「最初から使って下さい!紅葉君離れないで!」

紅葉「うん」

また霧が濃くなる

和也「本命倒さないと消えないなこりゃ」

ズシャ

金時「ぐわ!」

宇治「金時さん!」

ボフッ

宇治「ぐ…」

バシッ

和也「くそ!」

宇治は呟く…

宇治「サイクロン…風花…そうか!」

和也《さすが我が息子、呪文を唱えたかいがあったよ》

宇治「大風!鎌鼬(かまいたち)!」

???「グハッ!」

和也「本命登場ってか?」

ガウス「我が名はガウス!この森からされ!」

宇治「金時さん…あとお願いします…」

和也「無理もない、あれだけの霊力を使ったんだからな」

金時「言われなくてもそうするぜ!」

ガウス「ハ〜」

ガウスの吐く息で辺りが霧に包まれた

金時「くそ!見失った!」

宇治「けっこう手強いですね…」

紅葉《戦わなきゃ…戦わなきゃ!》

紅葉は宇治から離れた

宇治「紅葉君!」

紅葉「感じるんだ!ガウスの声を!」


ガウス「スーハ〜」

紅葉「そこだ!」

ドカーン!

ガウス「グハッ!」

金時「やったか!」

宇治「霧が!」

和也「晴れて行く」

ガウス「貴様!ハ〜」

紅葉「おりゃ〜!」

紅葉はガウスのアゴを蹴った

ガウスは宙に浮いた

ガウス「ぐ…」

金時は高くジャンプした

金時「おりや〜!踵落とし(かかとおとし)!」

ドカーン!

ガウス「グハッ!」

バタン…

和也《灰除(はいじょ)》

ガウスは灰になって消えた

バタン

宇治は倒れた

――――民宿――――

宇治「ん…」

金時「目覚めたか」

宇治「私は…」

金時「まだ寝てろ」

和也「起きた?」

金時「ほらきた…じゃあ俺はチビ見てるわ」

宇治「………」

和也「この程度でへばるんじゃ、神様にはほど遠いね〜」

宇治「うるさい」

和也「でもその程度じゃ、暗部にもなれないよ」

宇治「光縄!」

和也「除霊」

バシュン

光縄が消された

和也「お前の事、わかってるつもりなんだけど…親としてはまだまだだね(笑)」

宇治「………」

和也「こればかりは『慣れ』だから、いかに足手まといにならないか、自分で考えな」


宇治「紅葉君は?」

和也「疲れて寝てるよ」

宇治「そうですか…」

和也「斉天大聖は自然の力を操るからね、でも紅葉君は初めてそれを使ったから、誰かさんと同じ様に寝てしまってます(笑)」

宇治「私がもっと…」

和也「そうやってずっと苦しんできたんでしょ?」

宇治「え?」

和也「もっと強ければ…本当に強かったら何でもできる?」

宇治「………」

和也「力がないからこそ、できる事もあるんじゃない?」

宇治「そうですね…」

和也「私が神になれたのは、強いからじゃないだけ覚えておきなさい」

和也は宇治からはなれた

宇治「やっと…父らしく見えたかな」

―――紅葉寝室―――

紅葉「むにゃむにゃ…」

金時「親子のキャッチボールは終わったか?」

和也「あはは…まだ寝てるんだ」

金時「静かすぎて気味が悪い」

和也「起きたらさっそくご飯ですかね(笑)」

金時「違いねぇ」

和也「本当は悔しいんでしょ?」

金時「それ以上聞くと殴るぞ」

和也「じゃあ外の空気吸ってきます」

和也は部屋を出た

金時「………たく」

[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.