あと3日


[01]幸せ


「…今日であと3日…か。」
朝起きて1番に出てきた言葉がこれだった。
今日の間に意志を固めなければ、俺はこの場所に帰って来れなくなるかもしれない…。
「お父さん、おはよう!」
朝から元気な裕太。
「おはよう。」
「早くおばあちゃんとおじいちゃんの所行きたい!」
そう、今日は俺の両親を訪ねる予定だ。
それで、裕太を少し預かってもらう。
「分かったよ!」
こうして、俺は裕太を乗せて久しぶりに実家に帰る事になった。

「おばあちゃん!」
「裕太、よく来たね!」
出迎えてくれたのは俺の母親。
「どうぞ、上がって。」
裕太が元気良く廊下を走っていく。
「太陽…急にどうしたの?裕太を少しの間預かってほしいだなんて…。」
まだ詳しい説明は出来てなかった。
「それは…また後でゆっくり話すよ。」
おふくろは「分かった」と短く返事をした。
「大きくなったなぁ裕太。」
居間に入ると、親父が嬉しそうに裕太を抱いていた。
「頑張って早くお父さんに追いつくんだ!」
裕太は俺の方を向いてそう言った。
可愛い息子だな…本当に。
この幸せな時を壊したくない…。
切にそう願った。




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