番外編〜楓〜中編


[12]親友


クラスメート達はそんな隼人に何も言い返すことが出来ないようだった。
「何とか言ってみろよ。」
隼人はそんな皆に追い打ちをかけるようにそう言った。
「…じゃあそういう2人はこいつの何なの?」
言葉に詰まりながらも和佳が強気な態度でそう言う。
「決まってるでしょ?親友だよ!!」
千夏がその質問にすぐに答えを出した。
親友…久しぶりに聞いたその言葉に嬉しさが込み上げてくる。
気づけば私は千夏の手を握りしめて泣いていた。
「絶対あんた達みたいに裏切ったりしない。」
千夏と隼人は顔を見合わせて頷いた。
そんな2人にクラスメート達は言葉を失っていた。

その日の帰り、私は千夏と隼人と帰ることにした。
「本当にありがとう。2人のおかげでイジメなくなるかも!」
私がそう言うと、2人は同じ笑顔を見せた。
「俺たちのおかげなんかじゃないよ。楓が逃げずに頑張ったからだって。」
隼人のその言葉のおかげで私は更に笑顔になれた。
「あ…ごめん。私ちょっと寄りたい所があるから。」
「うん!じゃあまた明日!」
私は手を振りながら2人と別れた。
「さてと…。」
私は目的地の美容室を目指した。




[前n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.